メディアとしての紙の文化史
ローター・ミュラー
三谷武司(訳)
目次:
プロローグ - 紙を蝕む細菌 6p
Ⅰ ヨーロッパにおける紙の普及
第1章 サマルカンドからの紙片 16p
1-1 アラビア製紙術の発展
1-2 カリグラフィとカイロの紙屑籠
1-3 シェヘラザードの世界
1-4 ティムールとズライカ
第2章 高まるざわめき 43p
2-1 ヨーロッパの製紙ブーム
2-2 紙、学者、トランプ
2-3 書類の増大 - 書類王、官房、秘書
2-4 ジェノバの商人とその無言の協力者(サイレント・パートナー)
2-5 ぼろ集め、書記、説教壇
第3章 普遍物質 88p
3-1 マーシャル・マクルハーンとラブレーのパンタグリュエリヨン草
3-2 ハロルド・イニス、郵便、メフィストの紙切れ
3-3 紙葉のなかの世界 - 透かし、判型、色
Ⅱ 版面の裏で
第4章 〈印刷されるもの〉と〈印刷されないもの〉 128p
4-1 「写本から印刷へ」の欠陥
4-2 白紙
4-3 「・・・の遺稿のなかから」
第5章 冒険者と紙 148p
5-1 ドン・キホーテ、印刷所、羽ペン
5-2 ピカロの絵 - シムプリキウス・シムプリキシムスと剃刀(かみそり)
5-3 ロンビンソンの日記、インク、時間
第6章 透明な活字 171p
6-1 便箋に擬態する書簡体小説
6-2 ローレンス・スターン、直線、マーブル紙
6-3 印刷物からカードへ - ジャン・パウル、リヒテンベルク、抜粋
Ⅲ 大規模な拡大
第7章 整紙機の悪魔 200p
7-1 紙葉形成の機械化
7-2 時間の織り機、フランス革命、信用
7-3 バルザック、ジャーナリズム、『幻滅』における紙の陰謀
7-4 代書人の秘密 - チャールズ・ディケンズとネーモー氏
7-5 フールスキャップと女工 - ハーマンメルヴィルと製紙機
第8章 新聞用紙と、大衆紙の成立 272p
8-1 原料問題の解決
8-2 新聞、紙面、臣下
8-3 エミール・ゾラ、『ル・プティ・ジュルナル』、ドレフェス事件
第9章 照らし出された内面世界 301p
9-1 ヴィルヘルム・ディルタイ、歴史主義、遺稿
9-2 ヘンリー・ジェイムズ、イーディス・ウォートン、直筆(オートグラフ)狩り
9-3 変幻 - 紙とインテリア
第10章 近代の紙 336p
10-1 タイプライター用紙、「耳」、余白
10-2 ジェイムズ・ジョイス、新聞紙、鋏(はさみ)
10-3 ウィリアム・ギャディス、ペーパーワーク・クライシス、パンチカード
10-4 ライナルト・ゲッツ、マジック・メモ、紙のにおい
エピローグ - アナログとデジタル 376p
解説(原克) 384p
参考文献 396p
原注 398p
索引 401p
原書:Weisse Magie: die Epoche des Papiers, Hanser Verlag, 2012.