2018年1月20日土曜日

目次一覧:「騎士団長殺し / 村上春樹」(上下巻)

目次 - 騎士団長殺し / 村上春樹

第1部 顕れるイデア編 (上巻)

プロローグ p9

01 もし表面が曇っているようであれば p13
02 みんな月に行ってしまうかもしれない p28
03 ただの物理的な反射に過ぎない p54
04 遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える p69
05 息もこときれ、手足も冷たい p87
06 今のところは顔のない依頼人です p106
07 良くも悪くも覚えやすい名前 p116
08 かたちを変えた祝福 p134

09 お互いのかけらを交換し合う p147
10 僕らは高く繁った緑の草をかき分けて p165
11 月光がそこにあるすべてをきれいに照らしていたp180
12 あの名もなき郵便配達夫のように p194
13 それは今のところただの仮説に過ぎません p206
14 しかしここまで奇妙な出来事は初めてだ p223
15これはただの始まりに過ぎない p237
16 比較的良い一日 p258

17 どうしてそんな大事なことを見逃していたのか p273
18 好奇心が殺すのは猫だけじゃない p284
19 私の後ろに何か見える? p306
20 存在と非存在が混じり合っていく瞬間 p329
21 小さくはあるが、切ればちゃんと血が出る p342
22 招待はまだちゃんと生きています p356
23 みんなほんとにこの世界にいるんだよ p370
24 純粋な第一次情報を収集しているだけ p395

25 真実がどれほど深い孤独を人にもたらすもの p411
26 これ以上の構図はありえない p427
27 姿かたちはありありと覚えていながら p435
28 フランツ·カフカは坂道を愛していた p445
29 そこに含まれているかもしれない不自然な要素 p457
30 そういうのにはたぶんかなりの個人差がある p473
31 あるいはそれは完璧すぎたのかもしれない p493
32 彼の専門的技能は大いに重宝された p506


第2部 還ろうメタファー編 (下巻)

33 目に見えないものと同じくらい、目に見えるものが好きだ p9
34 そういえば最近、空気圧を測ったことがなかった p28
35 あの場所はそのままにしておく方がよかった p48
36 試合のルールについてぜんぜん語り合わないこと p66
37 どんなものごとにも明るい側面がある p88
38 あれではとてもイルカにはなれない p106
39 特定の目的を持って作られた、偽装された容れ物 p126
40 その顔に見違えようはなかった p148

41 私が振り返らないときにだけ p153
42 床に落として割れたら、それは卵だ p165
43 それがただの夢として終わってしまうわけはない p185
44 人がその人であることの特徴みたいなもの p200
45 何かが起ころうとしている p218
46 高い強固な壁は人を無力にします p232
47 今日は金曜日だったかな? p246
48 スペイン人たちはアイルランドの沖合を航海する方法を知らず p260

49 それと同じ数だけの死が満ちている p283
50 それは犠牲と試練を要求する p304
51 今が時だ p308
52 オレンジ色のとんがり帽をかぶった男 p327
53 火掻き棒だったかもしれない p341
54 永遠というのはとても長い時間だ p353
55それは明らかに原理に反したことだ p369
56 埋めなくてはならない空白がいくつかありそうです p387

57 私がいつかはやらなくてはならないこと p406
58 火星の美しい運河の話を聞いているみたいだ p418
59 死が二人を分かつまでは p435
60 もしその人物がかなり長い手を持っていれば p451
61 勇気のある賢い女の子にならなくてはならない p475
62 それは深い迷路のような趣を帯びてくる p493
63 でもそれはあなたが考えているようなことじゃない p511
64 恩寵のひとつのかたちとして p529

2018年1月19日金曜日

目次:「名短篇、ここにあり」北村薫,宮部みゆき

「名短篇、ここにあり」

となりの宇宙人(半村良)
冷たい仕事(黒井千次)
むかしばなし(小松左京)
隠し芸の男(城山三郎)
少女架刑(吉村昭)
あしたの夕刊(吉行淳之介)
穴―考える人たち(山口瞳)
網(多岐川恭)
少年探偵(戸板康二)
誤訳(松本清張)
考える人(井上靖)
鬼(円地文子)


「名短篇、さらにあり」

華燭(舟橋聖一)
出口入口(永井龍男)
骨(林芙美子)
雲の小径(久生十蘭)
押入の中の鏡花先生(十和田操)
不動図(川口松太郎)
紅梅振袖(川口松太郎)
鬼火(吉屋信子)
とほぼえ(内田百〓(けん))
家霊(岡本かの子)
ぼんち(岩野泡鳴)
ある女の生涯(島崎藤村)


「名短篇ほりだしもの」

だめに向かって(宮沢章夫)
探さないでください(宮沢章夫)
「吹いていく風のバラッド」より『12』『16』(片岡義男)
日曜日のホテルの電話(中村正常)
幸福な結婚(中村正常)
三人のウルトラ・マダム(中村正常)
「剃刀日記」より『序』『蝶』『炭』『薔薇』『指輪』(石川桂郎)
少年(石川桂郎)
カルメン(芥川龍之介)
イヅク川(志賀直哉)
亀鳴くや(内田百〓(けん))
小坪の漁師(里見〓(とん))
虎に化ける(久野豊彦)
中村遊郭
(尾崎士郎)
穴の底(伊藤人譽)
落ちてくる!(伊藤人譽)
探し人(織田作之助)
人情噺(織田作之助)
天衣無縫(織田作之助)


「とっておき短篇集」

第1部
穂村弘「愛の暴走族」
蜂飼耳「ほたるいかに触る」
川上弘美「運命の恋人」
塚本邦雄「壹越」

第2部
飯田茂美「一文物語集」より『0~108』

第3部
戸板康二「酒井妙子のリボン」
深沢七郎「絢爛の椅子」「報酬」
松本清張「電筆」
大岡昇平「サッコとヴァンゼッティ」
岡田睦「悪魔」
北杜夫「異形」

2018年1月18日木曜日

小沢健二:朗読「三割増し」(書き起こし)

SONGS 第437回 小沢健二
~今 僕が伝えたい音楽とことば~
NHK総合 2017年10月5日(木) 午後10:50 ~ 午後11:15

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今回、
僕はSONGSの制作チームから、
「なぜ芸能界から姿を消したのか」
など、
自分の過去を語ることを頼まれた。

ちょっと考えがあって、
以下のモノローグでお答えすることにした。


題して


「三割増」


今時、
人は自分の暮らしをネットにアップする。

ソーシャル・メディアには、
すてきな食べ物の写真が並ぶ。

が、もちろん、
アップした人の生活は、
本当は写真ほどすてきではない。


友人は言う。

「今は大変ですよ。
自分を三割増しに見せるために、
高校生の男子でも、背景や小道具を選んで
自撮りしなきゃならないんですから」と。

友人は続ける。

「みんな、どこかに行ったから写真を撮った」という
フリをしていますが、
本当はそもそも写真を撮るために、
そこへ行ってるんですよ」

彼女は、いたずらっぽく笑う。


人が
自分を良く見せようとするのは、
自然。

歴史の授業では

「日本書紀には、当時の政府が
自分をよく見せるために作った、
神話が混じっている」
と教わる。

国も
人も
自分をよく見せよう
とする。


婚活サイトに並ぶ、
見栄えのいい写真やプロフィールは、

アップした人自身が作った、
神話なのだろう。


しかし、
現実は厳しい。

婚活サイトで出会った人と
カフェで待ち合わせして、
一目見た瞬間、
お互いの神話は崩れる。

そうか!
メガネをかけて、
斜め上から撮れば、
あのプロフィール写真になるのか!

確かに(悔)!
と、過去の写真の仕組みが一瞬でわかる。


現在というものには、
一瞬で、
過去のすべてを
見せる力がある。



さて、

僕がSONGSで過去を語ることを頼まれて、
「じゃあ」と
切々と過去を語ったら、
僕も婚活サイトの写真
のように、
自分をよく見せてしまう
かもしれない。


自分についての
神話を、
作ってしまうかもしれない。

斜め上から、
写真を撮るように。


しかも、
実は、
本人が語る
本人の過去なんて、

人は内心、
話半分に聞く。

だったら、
現在の自分の眼に
見えるものを、
報告したほうがいい。


その報告が、
過去の自分を説明する、
とも思っています。

神話は、
とてもおもしろいものだけど。