2019年5月23日木曜日

目次:象徴交換と死 - ジャン・ボードリヤール

『象徴交換と死』
今村 仁司・塚原 史 訳,筑摩書房,ちくま書房


■内容
マルクス主義と資本主義擁護論の両者に共通する生産中心主義の理論を批判し、すべてがシミュレーションと化した現代システムの像を鮮やかに提示した上で、〈死の象徴交換〉による、その内部からの〈反乱〉を説く、仏ポストモダン思想家の代表作。

■目次
序文
第1部 生産の終焉
 1 価値の構造的革命
 2 生産の終焉
   労働/賃金/貨幣/ストライキ/労働組合の屍体解剖
 3 シュミレーション・モデルとしての経済学
 4 労働と死

第2部 シミュラークルの領域
 1 シミュラークルの3つの領域
 2 漆喰の天使
 3 自動人形とロボット
 4 産業段階のシミュラークル
 5 コードの形而上学
 6 シミュレーションのハイパー・リアリズム
 7 クール・キラー、または記号による反乱

第3部 モード、またはコードの夢幻劇
 1 既視感の軽薄さ
 2 モードの「構造」
 3 記号の浮遊性
 4 モードの「欲動」
 5 変質したセックス
 6 モード――この覆せないもの

第4部 肉体、または記号の屍体置場
 1 印つきの肉体
 2 二次的裸体
 3 「ストリップ・ティーズ」
 4 管理されたナルシシズム
 5 近親相姦的操作
 6 肉体のモデル
 7 《男根交換基準》
 8 肉体のデマゴギー
 9 寓話
 10 荘子の肉屋

第5部 経済学と死
 1 死者の売渡し
   生き残り、あるいは対価の死/死後のゲットー/死の権力/
 2 未開社会における死の交換
   象徴界/現実界/想像界/避けがたい交換/無意識と未開社会/分身と二重化
 3 経済学と死
 4 死への欲動
 5 死、バタイユの場合
 6 いたるところに私の死、夢みる私の死
   几帳面な死、生物学的な死/偶有性とカタストロフィー/「自然」死/老人と第3の世代[=老年期]/自然死と犠牲死/死刑/安全保障をふりかざす恐喝/葬儀場と地下墓地/死への愛想づかし/病気の交換/性的意味をもたらされた死、致死性の性/いたるところに私の死、夢みる私の死

第6部 神の名の根絶
 1 アナグラム
   価値の根絶としての詩的実践/アナテームの終わり/90億の神の名
 2 言語学の想像界
 3 機知、またはフロイトにおける経済的なものの幻覚
   言語の反唯物論的理論/無意識の彼方に