2011年5月26日木曜日

目次:菊地成孔と大谷能生の『憂鬱と官能を教えた学校』

バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史

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憂鬱と官能を教えた学校 - 菊地成孔・大谷能生

目次


菊地成孔による前書き


第1講 調律

はじめに
歴史の見取り図
バークリー・メソッドの成り立ち
ナディア・ブーランジェ
記号化バークリー・メソッドの成り立ち
ヨーゼフ・シリンガー
バークリー・メソッドによるアレンジの見本、バークリー症候群
グレゴリオ聖歌、十二等分平均律成立以前
大バッハ、音程の記号化=デジタル化=平均律
純正律と十二等分平均律
平均律成立による作曲可能性の増大について、それによって得たものと失ったもの
音韻と音響
バッハ以降の世界,二〇世紀まで
二〇世紀のクラシック、平均律システムを使い倒す、現代音楽
さまざまな商業音楽とバークリー・メソッド


第2講 調性 Ⅰ

パスコワール、話声に和声をつける、声と調律
声による調性へのチューンイン、音程の同定について
音程の同定、民族楽器における倍音、ノイズ、その他
音程のポージング、音程が不安定であることと安定であること
倍音雑然→整理について、倍音の概念
テクノイズという概念
構造上のノイズ
倍音の整理、ノイズの整理、世界を調律したいという欲望
純粋なものを志向すること、サイン波
バークリーの教科書の最初のページ、「音に関する原理」
音楽環境による聴き取り能力の変化、ヘルツ
デシベル
倍音、倍音列、差音の原理
バークリーではなぜ最初にこの三つを音の説明として選んでいるか?
生徒の質問


第3講 調性 Ⅱ

前回への質問、サイン波、ホワイトノイズ、差音その他
倍音に音楽理論の基礎を求めることについて
音韻と音響は不可分
調性、ディグリー、長短音程と完全音程
長調と短調、なぜそんな名前がついているのか?
なぜ「完全」という名前がついているのか?
音響物理的な説明
長調と短調の規定、実際にドレミファを弾いてみる
非西欧世界の長短、明るい - 暗いの二元論に立たない音階
平均律以前の、旋法に名前と意味があったことについての説明
長短調の確立時期とその意味、感情のデザインとコントロール
ドローン
短調と長調の世界をはっきり表している曲、「魔王」
ブルーズを西欧音楽理論で処理する試み、110世紀アメリカ音楽
メシアンの「鳥のカタログ」


【ラング・メソッドについて】



第4講 旋律・和声 Ⅰ

リアルブック
旋律と和声の記号化と分離、機能和声
コードネーム、曲の実演
リハーモナイズ、アドリブ・ソロ
アレンジメントとオーケストレーション
中世の歴史を引いて、旋律と伴奏の歴史の裏話
音階、オクターヴの概念
ダイアトニック・スケール1 長音階の度数と序列
ダイアトニック・スケール2 短音階の度数と序列。ナチュラル·マイナー
ダイアトニック・スケール3 和声的短音階,旋律的短音階
なぜ長調が一種類なのに対して、短調は三種類あるのか?
コードの概念
コード・シンボルの読み方、書き方


第5講 旋律・和声 Ⅱ

はじめに、音階の序列の復習
和声の進行について
ディソナンス・レヴェル(古典的感覚に基いた)
ディソナンス・レヴェルの実演
バークリー的なディソナンス・レヴェル表
ディソナンス·レヴェル6、増4度
インバージョンでも関係が変わらない増4度音程
協和・不協和
安定·不安定によってコードは進行する
コード進行の実演、ドミナント・モーション
4度圈、 Circle of Fourth
完全4度、完全5度
強進行と、ドミナント·モーションの定義
弱進行について
7 thコードによる、4度圈の無限サークル
質問、ブルーズについて、ディミニッシュについて
4度圏、7 thコード、ダイアトニック環境の復習
音韻情報の増殖
二一世紀のドミナント・トニック
まとめ


第6講 旋律・和声 Ⅲ

予定変更、宿垣の回収
キーの同定に関して、復習
ダイアトニック·コードの序列、調性環境の復習
コードの序列から行なうアナライズの方法
マイナー・スケールの序列の概念、序列表
原材料100、混ぜ物、その判断、その方法
テンション表
テンションの概念
ノン・ダイアトニック、ダイアトニックの復習
ドミナント7thコード、強弱進行の復習
7thコードの二つの解決先、裏コード
半音進行、あらゆるトニックは半音上にドミナント7 thコードを持つ
半音ステップでのサークル
置換コードによる効果
4度進行のケーデンスについて
Ⅱ-Ⅱ♭-Ⅰ, ケーデンスを裏コードで置換する
裏コードはダイアトニックのすぐ外側にある
セコンダリードミナント7 thの概念、ケーデンスの自己増殖能カ


【標柱】シリンガーとバークリーの理論を巡って・・・・・・・・・・・・石塚潤一


第7講 旋律・和声 IV

旋律・和声の全体図、コーダルとモーダル
コーダル・ミュージックのあらまし復習
ダイアトニック·メジャーとマイナー統合表
ケーデンスの説明、ドミナント、裏コード、曲を進めるエネルギーとしてのドミナント・モーション
セコンダリー・ドミナント・コード
ハーフ・ディミニッシュ
すべてのコードは二次ドミナントを持つ、コードの自己増殖
ケーデンスの例、Cm7→F7→B♭△7→G7
ドミナント·モーションを書くためのバークリー書式
ディミニッシュ
ケーデンス概念、細胞と器官
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ
解決保留によるケーデンスの延長について


第8講 律動 Ⅰ

強進行のグレードは? 転調多数の曲のキーの決定方法は? 質問と回答
バークリーのリズム教育、その前提
律動と言語
コンドゥクトス、単音、複音、アンサンブルとリズム
タクトゥス、中世の音価記譜法、モード·リズム法
クロノス時間の登場
西洋音楽のリズムの復習
アクセント言語とグルーヴ言語、「強勢拍言語」と「音節拍言語」
音源「世界ことばの旅」
ピジン英語、「訛り」とは何か?
ヨーロッパの律動空間の変遷
グルーヴ·タイム、アフリカ、アジアの音楽、今世紀アメリカのリズムとは?
二〇世紀初頭のアメリカについて、シート·ミュージックに見られる当時のポップスの特徴
二〇世紀前半のマジョリティ音楽、白人ポップスの例
ロックンロールとは?
歌とダンスとの関係は? 西洋中世のダンス·ミュージック
モードの登場
訛りについて、二一世紀の律動、終わりに


【サンバと柔術は咀嚼されたか?】
ブラジルの音楽とブラジルの格闘技が、コーヒー以上の輸入物になった年に・・・・・・菊地成孔


第9講 旋律・和声 V

モード、モードによって110世紀商業音楽が得たもの
復習(音響→平均律による記号化・体系化)
復習(アメリカとソ連、二〇世紀におけるモードの誕生につい、対コーダリティー)
モードは何を生み出したか?
カラーリングについて
自然のモード、人エモード
バークリーにおけるモードの表記について、4度堆積、モードのヴォイシング
モーダル・インターチェンジ
軸音構造と色彩感、記号化について
「ソー·ホワット」と「イン·ア·サイレントウェイ」
終わりに、音韻と音響


第10講 律動 Ⅱ

はじめに、ポリリズムという言葉の定義
複数のものの関係性について
アフリカ、ヨーロッパの復習
アフリカン・ビート、一拍四分割の例、バッハとリズム
アフリカン·ビート、裏表の交錯、和声がないことの利点
微分的なリズム、積分的なリズム、プログレ
十二分割、アフロ・ポリの基本
頭をずらしても大丈夫な構造
整数秩序によるリズム分割、アメリカン·ポップスにおける三拍子
四拍子的感覚
グルーヴとストレス、言語学、セックス・ミュージック
ティポグラフィカ、リズムの微分について
近似値、揺れ、時間を正確に切ること


【ポリリズムに関するキーワード集】


第11講 旋律・和製 Ⅵ

記号学、記号的、トリスタン和音
コーダル・モーダル、コード音楽とモード音楽の復習
バッハの譜面でケーデンスの復習
Steps、マイルス以後、無重力感


第12講 総論

生徒KYからの質問1つ、Stepsの曲はコーダルではないか?
バークリーの現在について
生徒KGの質問、バークリーの弊害
テクノイズについての質問
生徒KBの質問、音韻と音響
生徒OTの質問、サイン波について
生徒SGの質問、ブルーズ、アメリカ、ローカリティー、ブラジルの深さ
生徒TGの質問、リディアン概念について
総論、リディアン概念から
人と一緒に音楽を作ること

菊地成孔による後書き
全ては「文藝別冊マイルス·デービス特集号』から始まった。かのように見えたのだが

大谷能生による後書き






同名書籍のオンエア版(ダイジェスト)をアップしてくださっている方がいらっしゃいましたので、ここにそのリンクをまとめておきます。


菊地成孔と大谷能生の『憂鬱と官能を教えた学校』TV


概要:膨大な音楽知識の基、ジャンルレスな活動を続ける音楽家、菊地成孔氏と盟友大谷能生氏がお届けする大人の為の音楽番組がフジテレビNEXTに登場。2人の共著である 『憂鬱と官能を教えた学校』(河出書房新社・2004年) をモチーフとし、音楽理論を基盤とし、実際に鍵盤等、楽器を手に取り指導する「実論」はもちろんの事、JAZZ・POPS・SOUL・FUNK・HIP-HOP等、様々な音楽ジャンルが生まれた歴史的背景や 楽曲のコード・音韻・音色等を分析し、他曲との類似性を探る「楽曲分析(アナリーゼ)」、J・S・バッハからマイルス・デイヴィスに至るまで、音楽史に大きな影響を及ぼした人物を掘り下げる等、誰もが関心を持ち、聞けばためになる「音楽的教養」も網羅。20世紀の商業音楽-ひいてはその母体となった19世紀以前からのあらゆる音楽の影響関係を再考察することで、『21世紀の音楽のあり方』を聴講生30名を招き、月イチ90分、全12回の講義形式で模索しようという、知的興奮に満ち溢れた検証番組である。


1984年にプロデビュー後、山下洋輔グループ、ティポグラフィカ等の活動の傍ら、膨大なセッション、スタジオワークを経験。現在は、『菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール』『菊地成孔ダブ・セクステット』を中心に活躍する、菊地成孔氏。JAZZをベースに膨大な音楽知識をフルに活用、ダンスミュージックやテクノ・ポップス等を混在させ、複雑な独自の音楽世界を構築する音楽家である彼は同時に、私塾「私立ペンギン音楽大学」を主宰し、東京大学教養学部・国立音楽大学・東京芸術大学・慶應義塾大学で非常勤講師を勤めた経験を持つ、言わば、“音楽を言葉を通じて人に教える”人間でもある。 この番組は、そんな菊地成孔氏と彼の盟友-コンビで数多くの講義を行い、共著も多数出版、過去FMラジオのパーソナリティーも共に務めた-音楽家・批評家の大谷能生氏を講師に迎える。 また、個性派モデルとして、ロックDJとして活躍中の坂田かよがアシスタントとして番組に花を添える。 聴講生も有名ミュージシャンからインディーズ・アーティストまで幅広く心から音楽を学ぼうとする人達に集まってもらった。 菊地氏・大谷氏はどのような切り口で聴講生に語りかけるのか?そして結果、どこへ帰結するのか?2人の怒濤のスピードに負けぬよう、脳をフル回転してご覧下さい。



 第一回講義
『ガイダンス ~ 受講の為のインストール1(スケールを高速インストールする方法)』

1/6 http://dai.ly/jmCsE2

2/6 http://dai.ly/ldaQTl

3/6 http://dai.ly/kbvniw

4/6 http://dai.ly/jMko2o

5/6 http://dai.ly/mfkznW

6/6 http://dai.ly/mFedsX


第二回講義
『受講の為のインストール2(コードを高速でインストールする方法)』

1/6 http://dai.ly/ikYh2

2/6 http://dai.ly/iTTNDV

3/6 http://dai.ly/jaGpzf

4/6 http://dai.ly/iRfUyL

5/6 http://dai.ly/iYAAd0

6/6 http://dai.ly/li9YHI


第三回講義
『インストール終了から講義ガイダンスへ』

1/6 http://dai.ly/iHqkPG

2/6 http://dai.ly/l6BdQ8

3/6 http://dai.ly/jEdstb

4/6 http://dai.ly/mcd0js

5/6 http://dai.ly/jECABC

6/6 http://dai.ly/mTWLKf



第四回講義
『4度圏表の説明から長短調(ダイアトニック環境【1】)』


1/6 http://dai.ly/vA6Ur3

2/6 http://dai.ly/v9TMVy

3/6 http://dai.ly/tmUjF2

4/6 http://dai.ly/uGcIsI

5/6 http://dai.ly/vD15Sn

6/6 http://dai.ly/sUxXEj


第五回講義
『ダイアトニック環境【2】(ケーデンス/ディゾナンスレベル~ツー・ファイブ・ワン~』

1/2 http://dai.ly/JRlMhm

2/2 http://dai.ly/JRmGu7


第六回講義
『2次ケーデンスとマイナー行きのケーデンス』

1/2 http://dai.ly/JRtyaQ

2/2 http://dai.ly/JRudcz



第七回講義
『テンション〜』

1/2 http://dai.ly/SD5OIc

2/2 http://dai.ly/UdlzNl



第八回講義
『ダイアトニック環境の統合と裏コード 及び 置換ケーデンス』






第九回講義
『ダイアトニック環境の統合と裏コード 及び 置換ケーデンス』