2014年2月4日火曜日
アラマタ美術誌 目次 / 荒俣宏
アラマタ美術誌 / 荒俣宏
第一章 ヒトはどうして絵を描くようになったのか
1.影と叡智と光の啓示
影の偉大なる導き
われわれは絵が描けたために滅亡をまぬがれた?
「影学」へのアプローチと、その方法
プラトンは「アイドル」を嫌い「アイデア」に走った
光と闇をともに「かげ」と呼んだ東洋のセンス
ダーク・シャドーと「影響力」の関係
絵画にもカゲの力が必要だった
人口のイドラの誕生
画家は「陰陽師」である
いよいよ影が邪魔になる
「影殺し」ー そして、透過光の中での「影の蘇生」
2.イリュージョン ー 歪めて視る真実
影もまた真実を語る力があった
イメージとイリュージョンの抗争
シュルレアリスムとアナモルフォーズ
だまされる目と脳
チャンス・イメージとシミュラクラ
第二章 装飾芸術論 ー 「濃いアート」は秘密だらけ
1.東の鏝絵と西へのグロッタを並べてみれば、見えて来るくる、装飾の魔界 <鏝絵:よみ ー こてえ>
「うわべを飾るアート」とは何か
時差出動がなくなり、共存できなくなった妖怪の教訓
鏝絵とは何か
機邦サフラン酒本舗の鏝絵は異国の装飾も連想させる
濃いーぃ装飾は、ひねくれモノに愛された?
「なまこ壁」こそ鏝絵の母
伊豆長八と左官の役割
「おまけ」だからすごかった鏝絵
左官にまつわる職業上の秘密
左官の歴史と時代の変遷は、パラレルに流れる
鏝絵のたそがれとスローライフ
鏝絵の世界と、その作例
伊東忠太と装飾の進化
西洋もまたシンボルと装飾だらけだ
西洋の装飾に分け入る
トロンプルイユは西洋の十八番
エンジニアの復活と「フリーメーソンの逆襲」
装飾とファンタジーの相互依存
究極のフォリー、「グロッタ」
水と洞窟とエロスの誘惑
2.「見えない美学」の猛攻 ー 構造VS装飾の死闘
エンジニアの登場
アーティストはエンジニアに勝てたのか?
反近代の闘将と、装飾リバイバル
肥満とダイエットの美術史とは何か
ジャポニスムと「ダイエット」のススメ
日本美術は肉食を開始して太りだした!
ゴシック・リヴァイバルまで理解する
装飾のための建築
取り合わせの妙
第3章 差別する美学 ー ヒトはなぜ悪趣味を求めるのか
1.悪趣味だって?どこが?
テイストとは、「好み」なのか、「味」なのか?
臨画・写生画・思想画の流れ
よいテイストを身につけること
ピカソが開けた「パンドラの箱」
風俗による反乱は日本が本家?
バッドテイストと「遊び」の精神
美女と浮世風呂の世界観
日本のバッドボーイと「風流」
ヒトラーの美術狩り ー 悪趣味から「危険な毒」へ
退廃は劣等よりも強毒である
美術の戦争の果て
退廃芸術家と名指しされた人々
大ドイツ芸術も、じつはバッドテイストだった
バッドテイスト成分とはなにか、どこが悪いのか?
もうひとつのバッドテイスト成分
2.人間のランキングについて ー 美醜の起源と消滅
容姿にも厳格なキャラクターが求められた
顔の形でキャラクターが分かる?
キャラクターと占星術
精神の解剖学
バッドボーイは形に表れる
うわべを変える技術の誕生
美人コンテストは骨相学の末裔か?
昔もあった、美容整形の誘惑
敗れ去る内部の善美
劣等感を超える超ダークサイド
内心の美が信じられない
「パーソナリティ」の登場
個性は「手書きの手紙」のようなもの
裸の女王のボディ・コンシャス
ネイキッド(naked)からヌード(nude)へ
靴を履くヌード
結論 ― ファッションの陰謀